免疫と交感神経と副交感神経のバランス うつと自殺の複数の要因・瞑想の注意と危険性
久しぶりの更新です。今回は多少時間的余裕が出来たので一気に二つの記事を更新しました。
梅雨の時期が再び到来ですね。一年がとても早く感じます。今日は梅雨と言う時期も踏まえて、季節性のうつや季節性感情障害(SAD)、そして気圧などの自然環境による自律神経への影響、交感神経と副交感神経のバランスをメインテーマにし、
さらに関連テーマとして「うつと自殺の複数の要因」、そして感性アプローチの補足記事として「瞑想の注意と危険性」も追加しています。ではまず、「末梢と自律神経」についての基本的知識のおさらいとして、私のお気に入りの「WEB玉塾」の動画を紹介しますね。
解剖生理学 36話「末梢と自律神経」byWEB玉塾
次は、医師の小林先生による「4つの自律神経タイプ」の記事の紹介です。
「4つの自律神経タイプとは」 より引用抜粋
(前略)
①交感神経も副交感神経も高い「スーパーアスリート型」
②交感神経が高く、副交感神経が低い「バリバリ型」
③交感神経が低く、副交感神経が高い「のんびり型」
④交感神経も副交感神経も低い「お疲れ型」
「心身の状態が最も良好で、自分の力を存分に発揮できるのはスーパーアスリート型ですが、実際にはこのタイプはごく少数派です。バリバリ型はエネルギッシュですが、ストレスをためやすく、現代人にいちばん多いタイプ。
また、のんびり型はなかなかエンジンがかからず、プチうつのような状態になることも。お疲れ型は疲れやすく体力もないので、思うように自分の力を発揮できません」(小林先生)
最も、これらは程度もの。例えば〝バリバリ〟も〝そこそこバリバリ〟ならOK、〝のんびり〟も〝そこそこのんびり〟なら問題なしです。
「右上の表の4つのタイプの中心辺りに来るのが、一般的には最適ゾーン。極端に高かったり低かったりせず、多少高い、多少低いという程度なら、心身にとってとても良い状態と言えます」(小林先生)
– 引用ここまで- (続きは下記リンクより)
引用元⇒ http://www.biteki.com/jiritushinkei/jiritushinkei05/
自律神経に詳しい順天堂大学教授の小林弘幸医師は、「最も心身の状態がいいの は交感神経も副交感神経も活発に働いている状態」だといいます。逆に最も悪いのが「両方の神経とも働きが悪い状態」。
先生のおすすめが「寝起きの一杯の水、朝に光を浴び外気に触れ、そしてヨーグルトを食べる」ですが、これは私も習慣的にやっていることのひとつです。(私はヨーグルトはカスピ海ヨーグルトがメインです。)
※ ただ私の場合、「カスピ海ヨーグルト」を食べるようになった経緯は特に深い理由ではありませんし、まぁ「腸内フローラ」や「ヨーグルト」に関するエビデンスは明確に実証されているわけではないので、
一つの可能性、というくらいに考え、あまり盲信しない方が健康的で良いでしょう。以下参考として二つの外部サイト記事を紹介しておきますね。
〇 腸内フローラ番組を基に、消費者が情報を読み解く“秘訣”を考えてみた
ではここでもうひとつ小林弘幸先生の記事を紹介しますね。
「腸内環境の乱れと「サザエさん症候群」が密接に関係 便秘外来の第一人者が語る腸と自律神経の関係」 より引用抜粋
(前略)
「実は腸には約1億個もの神経細胞が集まっていて、もともと第二の脳とも言われているのです。更に『リラックスホルモン』とも呼ばれるセロトニンは9割以上が腸管で作られていることも重要です」
(中略)
「現在、腸が作り出すセロトニンが脳の活動に影響を与えていると完全に証明されているわけではないのですが、多くの専門家が精神状態を相当に左右しているだろうと考えています。実際、今回の調査でも腸内環境が悪い人ほど落ち込みや不安、疲労感の増加を訴えていますし、内向的な性格の遠因になっている可能性さえ浮き彫りになりました」
(中略)「重要なのは発酵食品と食物繊維を摂取することで、例えばヨーグルトとキウイは理想的な組みあわせの1つです。ヨーグルトは『菌が生きたまま届く』と明記しているタイプを選ぶのもひとつですね」
– 引用ここまで- (続きは下記リンクより)
交換神経過剰によるストレスを癒す方法は他にも音楽による癒し効果があります。それに関連する過去記事も以下に紹介しておきますね。⇒ 疲れた心と体を休める 自律神経にやさしいクラシックギターと音楽
季節性うつ病、季節性感情障害(SAD)
自殺の原因の多くがうつ病であり、うつ病は様々なストレス(精神的ストレス・構造的ストレス・ 化学的ストレス・温度と湿度のストレスなど)によって生じますが、
気候によるストレス(気圧・温度・湿度の変化)や寒さや日照不足によっても、冬季うつ(季節性うつ)や気持ちの落ち込みなどが生じやすくなります。
「日照時間」と自殺率の相関関係が指摘されています。例えば世界でみるならば最新版の調査ではグリーンランドが自殺率でダントツトップです。
日本であるならば、日照時間が全国最下位の秋田県の自殺率が高いのは有名ですが、青森県・岩手県・秋田県の三県は平均的に自殺率が高い県なんですね。(また秋田県は「高齢者率の高さ」も自殺率との相関関係があります。)
北海道は日本最北ですが、本州のようなシッカリした梅雨の季節と台風がないので気候の質が異なりますね。(梅雨の時期は太陽光不足により体内時計がくるいやすくなる原因になります。)
もちろん、うつ・自殺の原因が寒さや日照不足や気圧の変化によるものだけではないことは言うまでもありません。あくまでも要因の一つということですね。
寒水孝司 医学研究科准教授、角谷寛 滋賀医科大学医学部附属病院特任教授(京都大学医学研究科 元准教授)らの研究グループは、直前数日間の日照時間の少なさが鉄道自殺に関係することを示しました。
本研究成果は、精神科の国際専門誌「Journal of Affective Disorders」(2013年9月13日)に掲載されました。⇒ 直前数日間の日照時間が少ないほど鉄道自殺の危険性が高いことが明らかに-鉄道自殺の予防に期待-
このテーマと関連する過去記事も紹介しておきます。⇒ 「太陽・光」+イメージ療法 ちょっとした元気回復エクササイズ
自殺が最も少ない日本の町
では逆に、自殺が最も少ない日本の町というのはどこでしょうか?NHK 生活情報ブログ 「自殺率 低い地域の特性探る研究」より引用紹介しますが、自殺が最も少ない日本の町として研究の対象になった徳島県の旧海部町の五つの特徴は、
①住民の排他的な意識が薄い、②人を人物本位で評価する人が多い、③自分は無力ではなく、世の中のさまざまな出来事に対処できると信じている人が多い、④悩みが あった時、周りに助けを求めることに抵抗が少ない、⑤近所づきあいが緊密すぎず、 ゆるやかなつながりである
という特徴が見られたということです。引用・参考元 ⇒ 自殺率 低い地域の特性探る研究
多様性、自己肯定感、自己効力感、対人距離のバランス、繋がり、信頼感、大らかさ、一人で抱え込まない、など、複数のキーワードが垣間見れますが、これはこのブログでの心・精神の分析・検証の際に重要とされるファクターとも一致します。
平坦ではない人生、均一でない個人、異なる人間同士が互いに生きていく時、時代や文化を問わずこのようなものがシンプルにとても大事な本質的なものであることがわかりますね
以下の記事も紹介しておきますね。
⇒ 全国で最も自殺率の低い町、徳島県の海部町って?他人を気にしすぎない事がええんじょ。
もうひとつ、今回のテーマと関連する記事を紹介しますね。
「ドクターズガイド」 より引用抜粋
「低気圧と体調の関係 自律神経の葛藤」
(前略)
気圧の変化はまず、体に物理的な影響を及ぼします。となりあった物質は平均化しようとするので、圧力の低いほうへと流れようとしますね。人間の体は「水の袋」と形容できるほど水分が多く、水分は流動的ですから、圧力の低い空気中へ向かおうとし始め、細胞内の水分も外に向かって膨張することになります。これがむくみの一因になったり、血管が拡張して血圧が下がると考えられています。(中略)自律神経は、こういった物理的な変化のほかに呼吸から「酸素が薄い」、目から「光が少ない(暗い)」、また内耳にかかる圧力の変化で「気圧が低下した」ことを感知します。
そしてこれらの条件を「活動に適さない環境」と判断して、二種類の自律神経のうちの「副交感神経」を優位に働かせ、体を「休息とエネルギー蓄積のモード」に切り替え始めます。このモードでは以下のような状態へと調整します。
•血圧、血糖、心拍低下
•疲労感、意欲低下
•分泌、排泄機能活性化
•食欲増加、消化吸収促進
•心身のリラックス状態(中略)
これに加えて、ヒスタミンという体内物質の分泌による追い打ちがあります。ヒスタミンは外部刺激があると肥満細胞といわれる細胞から分泌され、免疫活動に指令を出す働きをします。しかしこれも過剰に働いてしまえば、花粉症を代表とするアレルギー症状となります。最近、低気圧にさらされるとヒスタミンの分泌が増えることがわかりました。副交感神経の過剰な働きに加えてヒスタミンの過剰な作用も加わり、「不調」もひどくなってしまうことになります。
•免疫の過剰反応→アレルギー症状
(鼻水、くしゃみ、かゆみ、喉のはれ等)、関節の痛み•血管浸透性を増す→血管から水分がにじみ出る→いっそうむくみ•血管拡張作用→いっそう血圧がさがる– 引用ここまで- (続きは下記リンクより)
引用元⇒ 低気圧と体調の関係 自律神経の葛藤
交感神経と副交感神経、ハレとケのバランス
また自律神経は白血球の働きにも深く関係し、(白血球には、細菌などに対抗する顆粒球と、ウイルスなどに対抗するリンパ球がある。)交感神経優位な状態では顆粒球が増加し、副交感神経が優位の場合はリンパ球が増加します。
なので交感神経が優位過ぎる場合、顆粒球が過剰になり体内に必要な菌までやっつけるので免疫力を低下させてしまうわけですね。ところがストレスが少なすぎるユル過ぎる生活・環境の場合も、今度は副交感神経が優位になりすぎ、 リンパ球が過剰になり、その結果やはり過剰反応となります。
また、副交感神経が優位過ぎる場合、慢性的な変性意識状態を生じさせることもありますので、ハレとケのバランスを欠いてしまうこともあります。これに関連する過去記事を以下に紹介しておきます。⇒ 変性意識の力が「癒し」となるか「病い」となるかの境界
また、禅・瞑想・気功・ヨガは良くも悪くも無意識を活性化させる場合があり、変性意識の危険性を知らない場合や、過剰にやり過ぎて行う場合に、古来からよく知られる偏差や魔境という状態になる危険性があることも複数の過去記事で注意していますので、実践の際は過去記事を参考にしてくださいね。