人生の殉教者と搾取者   自身への嫌悪と失望が生み出すもの

 

今日は「アダルトチルドレン」「病的な精神世界」のカテゴリー記事の更新で、幾つかの歌の動画紹介と、「人生の殉教者と搾取者」「自身への嫌悪と失望が生み出すもの」という二つの詩を紹介しています。

 

ブログで紹介しているこれらの詩は、バランス異常だった頃とその前後に感じた様々な心象を書いているものもあれば、回復後の心象を書いたものもありますが、そのカテゴリー記事のテーマに一番関連が深いものを選択して紹介しています。

 

今回の「殉教者」という表現は、AC(アダルトチルドレン)の五つの役割での「殉教者・犠牲者」を含んでいるだけでなく、もっと「広い意味での役割」そして「無意識領域」での感性表現を含むものであり、宗教的な「殉教者」のことではありません。

 

AC(アダルトチルドレン)の五つの役割については以下の過去記事を参考にどうぞ。⇒ アダルトチルドレン 親が子供に与える影響の心理学

 

ACと言う概念は欧米で生まれたものなので、文化的な差異も多少はあるでしょう。ですが、ミーム・文化的影響力よりも、親子関係における愛着障害に関するものがメインであり、子供期の心・自我の後天的発達に関わるものなので、より原初的、自然なものであり、ある種の世界的な普遍性があるものと考えます。

 

ではまず、『 時代  中島みゆき』のBEBEさんによるcover動画を紹介します。BEBEさんは、声の透明感と潤いが素晴らしい美声の女性歌手で、ジメジメした蒸し暑い日に聴くと爽やかで良いですね。

 

「時代」中島みゆき

 

ここから詩と動画を交互に二つずつ続けて紹介していきます。

 

 

ico05-005 人生の殉教者 と 搾取者

他人の負の感情の「掃き溜め」にされる優しき人々  優い心ゆえに寂しい現実・時の中で生きる人々がいる 

 

心が乾いて そしてやがて飢え  拒否する力を失い  判別・識別する力を失う時  その抵抗力の弱った心に 少しずつ穴が開いていく 

 

その境界の脆弱さから 心の結界はやがて崩れ ある者達は生きていること自体の恐怖と不安が  日に日に増していく      そして心を固く閉ざし 嫌悪と不信で一杯になり  やがて人を避け 近づいた人を傷つけることでしか守れなくなっていく 

 

だが そんな状態でも 心を閉ざさないで優しくあ者たちがいる  そして狡猾な人は、そういう心を餌食にする 人生の殉教者は 搾取者の生贄にされる 

 

搾取者はそれで今日一日を元気に生きるだろう  そして殉教者はやがて活力を失い 疲れ どうにもならなくなった現実の中に閉じ込められ  他者の土台にされ続け 埋め込まれ 踏みつけられ 動けなくなった体でも まだ他者の光を支え続けようと影で踏ん張る 

 

何故怒らないの? 何故簡単に受け入れちゃうの?  そうやって「救いがたき愚か者」とされて 他人の負の「掃き溜め」にされる優しき人々がいる  

 

そして人は 立場の弱い「汚れ疲れ切った優しき人々」に向かって吐き捨てるように言う 「何の役にも立たない社会のクズが! 馬鹿なド底辺が!」 

 

でも本当はそういう人たちがいる事自体に 多くの人が無意識に支えられてきたんだよね  踏ん張って頑張って 現実のやりくりだけで精一杯な日常の中で 疲れ切っているだけなんだね  

 

それがどんなつまらない愚かなものと言われる役割であろうと 「誰かがやらなきゃいけないこと」を 「誰かがやっているから自分がやらなくていいこと」をやってるだけ 

 

それを馬鹿にされても 「私なんてそんなもんさ」と その役から抜け出す力がなくなったのも  根っから優しい心だから 知らないうちに 狡猾な者達に活力を与えて逃げる力も奪われていたんだね

 

 多くの人々に馬鹿にされていても そんな人の在り方が「無意味でつまらない」とは私には思えないよ でもそんな優しい人が やがて潰れていく姿がとても悲しいよ 

 

今、在ることそれ自体に 本当に目を向けるなら 人の言葉では傷つかなくなり  今ココに在る自身を自身で全否定する時だけ心は本当に傷つく 

 

でも寂しい心は 自分を責め続け自虐的に在ることで 自身の存在価値を何とか保とうとする   だから搾取者に「自責の心理」を巧妙に植え付けられ 反発力を抑圧される 

 

そして憎しみに満ちた心は 自身の現状の惨めさだけにとらわれる  だから搾取者に「怒りと劣等感」で操られる

 

 そして根っから優しい心は 「殉教・犠牲」に向かわされ 搾取者に「奴隷」にされ 全ての活力が干からびていく  搾取者は夢や希望や正義や真理や善の仮面をつけて忍び寄ってくることもある 

 

そして最初からどこにもありもしない「観念的な上下の現実」を生み出し 心に植え付け  過剰なコンプレックスを生み出して お互いに消耗するまで戦わせる 

 

その不毛な活動は 搾取者にとって活力を高め自身を中心化・安定化するためになくてはならない だから生み出された都合であるにも関わらず  囚われた者は一生それに振り舞わされ踊らされ続ける  (おわり)

 

重い否定的な内容の詩だったので、ここで「YeYe」の曲「 morning」の紹介です。この歌・曲はアコースティックで独特な開放感があり、爽やかです。

 

YeYe – morning

 

次に紹介の詩「自身への嫌悪と失望が生み出すもの」は、主に「病的な精神世界」のカテゴリに関連する詩であり、そういう世界にハマる人々の不毛な姿を表現した詩のひとつです。

  

 

ico05-005 自身への嫌悪と失望が生み出すもの

人間の本質を卑しいと嫌い否定するから  その反動で超越的・絶対的な神を造るうに  自身のありのままの姿への嫌悪と失望が大きいほど  それに反比例した高い理想、特殊な理想・幻想にしがみつく 

 

そんな人々の自己欺瞞の姿を沢山見てきたよ   激しく自己分離した心的世界で戦い始める人々の姿  そして自分自身を本当に愛せないまま 人間存在を愛せないままの心

 

そんな心は無意識では世界を呪っている そして心的世界の戦いを世界に投影するだけ  世界を呪っている人々が 自己の救いのない愛のない心の無意識反動で「愛と平和」を祈り

 

自身の姿を見失った人々が 「光・真理・神のために戦う」などと喚きだし  「我はブッダ・神の生まれ変わり・化身」などと哀れな遠吠えをしたりする  

 

そんな不毛な心にシンパシーを感じた「自身すら愛せない・理解できていない人々」が  人や世界を「愛・真理」の名の元に変えようとして集まって

 

「愛・真理」の名の元に 「愛無き行為、嘘にまみれ集金行為 横暴な利権拡大を平然と行える狂信者」量産し始め  搾取者を潤わせるための 「愛・真理・光」の企業戦士になって

 

いつしか 金と時間とエネルギーをありったけ捧げる「貢君・営業奴隷」になっている   「盲信と過剰な信念」が世界と人の心にさらな不和・敵対・分裂を植え付けていく

 

そして自らが  あるいはそれと似た自我運動が作り出した世界の分離と不調和の姿を嘆く矛盾  「ああ、なんて世界は不調和で愛がないんだ もっと法を 真実を 愛を広めねば」と、さらなる自作自演の無意識スパイラルにハマり落ちていく

 

人の本質を愛する人は ありのままを人間存在・現実を愛せる だから神や理念に依存せず偏愛しない (おわり)

 

ラストに梅雨に咲くアジサイを見ると思い出す「椿屋四重奏」の「紫陽花」を紹介して、記事の終わりとしますね。

 

椿屋四重奏 – 紫陽花(PV)

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

*