季節性感情障害(SAD)と月病と自殺  夏季うつと六淫

 

ico05-005 春は生じ、夏は長じ、秋は収し、冬は蔵する

 

台風でちょっと涼しくはなりましたが、今年の夏は蒸し暑い「火」の強い夏ですね。

 

季節の変わり目は、そして夏の終わりから九月病になる方もいます。まず最初に、参考として以下の外部サイト記事を紹介しておきますね。九月病の29の症状と2つの原因そして54の対策まとめ【保存版

 

今日は、季節性感情障害(SAD)月病を最初に、そしてその後に続けて「夏季うつと六淫」に関する記事を書いています。

 

今回は主に東洋医学的アプローチ、感性アプローチから、ちょっとしたエクササイズや音の癒しの動画などを紹介しています。

 

 

SAD」というと、このブログのカテゴリーで扱っている二つの名称(社交不安障害・季節性感情障害)になりますが、社交不安障害(SAD)= Social Anxiety Disorder の略、季節性感情障害(SAD)= Seasonal Affective Disorder の略。

SADは、天候、季節の変化・影響による障害で、日本人の発症率は1~3%といわれ、欧米と比較するとやや低い。

また女性の方が男性より3倍多いといわれ、これは女性ホルモンの変動、そして、太陽光・温度・湿度・気圧などの自然界の影響を女性の方が受けやすい、ということが考えられています。

ある調査ではフロリダとアラスカでは7倍の差があり、イギリス、北米、北欧、ロシアなども多いとのことですが、ここで「非季節性のうつとの違い」及びSADの症状のひとつを簡潔にまとめた外部サイト記事を引用・紹介します。

 

「季節性感情障害 (SAD)」 より引用抜粋

SADには、普通のうつ病とは少し異なる症状もあります。非季節性のうつ病においては、眠れなくなり食欲もなくなるのが一般的ですが、

SADの場合は、睡眠時間が長くなり食欲も増すことが多いです。SADになると、冬の間、朝起きるのがとてもつらくなり、日中にも眠気を感じることが多くなります。

またチョコレートや白パン、甘いお菓子といった高炭水化物の食品が食べたくてたまらなくなることがあります。SADを持つ人は運動量も低下しがちなため、冬に太りやすくなります。

SAD型のうつ病は春になると回復します。そしてSADを持つ人の約3分の1が、春から夏にかけて気分がやや高揚した状態(軽躁状態;双極性障害のリーフレットを参照)になります。

– 引用ここまで- (続きは下記リンクより)

引用元⇒ 季節性感情障害 (SAD)

 

実は↑これ私は過去に経験しています。「ツキノワグマ」というハンドルネームは、秋によく食べ冬によく眠る私のクマ的な傾向性からつけました。

その習慣が残って現在も基本は秋によく食べ冬によく眠るのですが、鬱の症状や不定愁訴などはありません。

このほかに「エンパス」の傾向性がある人は、気温・湿度・気圧・天候・日照時間以外にも様々な自然周期・変動・変化と無意識的な感応・同期が起きやすいために、

季節性感情障害をより発展させた「自然同期」による感情障害を起こすこともありますが、

私はこれも経験しており、また知人・友人の一部及び一部のブログ読者もこれを経験していますが、これは一般的ではないため今回は省きます。(エンパスに関する過去記事を以下に紹介しておきますね。

 

HSPとエンパス  気質と性格タイプの遺伝と環境とレジリエンス

 

 

季節性感情障害(SAD)には「冬季うつ」だけでなく「夏季うつ」があり、私は過去にどちらも経験がありますが、一般的には冬季うつがよく知られ、夏季うつは少ない、といわれています。

冬季うつに関してはこのブログでは以下の簡単エクササイズをおすすめしています。過去記事 ⇒「太陽・光」+イメージ療法  ちょっとした元気回復エクササイズ

 

また東洋医学的な冬季うつ病対策の補足として「経絡・ツボ」もおすすめです。参考として以下の外部サイトを紹介しておきますね。経絡・ツボで対策する冬季うつ病

そして今回、SADに関しては「夏季うつ」がメインのテーマになりますが、先に「月病と自殺」を書いてから、その後に続けて「夏季うつ」を書いています。

 

 

月病と自殺

 

平成15年」の「1日平均自殺死亡数」を曜日別で比較すると、「月曜日」が男80.7人、女27.3人と最も多く、「土曜日」は男53.5人、女21.2人と最も少ないんですね。

他の年でピックアップしてみると、例えば「平成22・25年」でも「月曜日」が最も多く「土曜日」 は最も少ないんです。これはブルーマンデー症候群とかサザエさん症候群とも言われよく知られているものです。

そしてこれはSAD・季節性の変化ではなく、社会時間によるものですね。外部サイト記事を参考として紹介しておきます。日曜日の夕方から大きなため息…「サザエさん症候群」の対策法

 

そして自殺の原因で最も多いのが鬱ですが、平均自殺死亡数を月別に統計で みると、多くの年で4・5月がピークになっており、また六月が一番多かった年もあります。

これ等は「四月病・五月病・六月病」とピッタリ重なるわけです。そしてこの多くは「鬱」というよりは「適応障害」であり、自然の変化よりも社会的な力学が作用しています。

また、ここ最近では「3月」も自殺が最も多い月のひとつですが、ここにも社会的な力学が強く作用しています。これに関しては以下の外部サイト記事を参考にどうそ。早春に「死にたくなる」人が増えるのはなぜか?

 

◇ 関連外部サイト記事の紹介

五月病-こんなはずではなかった?

 

 

夏季うつ

 

「夏季うつ」が「夏バテ」と異なるのは「気分の落ち込みや不安感などの精神的不調を伴う」、ということですが、

夏季うつは本当に少ないのでしょうか? 先にSADは女性の方が男性よりも三倍多いと書きましたが、実は女性の場合、真夏の「7月」の自殺率が高いんですね。

 

2019/10 追加更新で「気象病」に関連する外部サイト記事の紹介です。「気圧の変化」「耳の敏感さ」「自律神経」からの考察です。

 

「台風19号の「低気圧」で体調が悪い人の特徴 「気象病」は決してきのせいではない」 より引用抜粋

(前略)
気圧が変化すると、人間の体はストレスを感じるため、それに抵抗しようとして自律神経が活性化されます。

自律神経系には、交感神経と副交感神経があり、交感神経は血管を収縮させ、心拍数を上げて体を興奮させる働きがあります。

一方、副交感神経は血管を広げて体をリラックスさせる働きがあります。この交感神経と副交感神経の調整がうまくいかないと、さまざまな体調不良の原因となってしまうのです。

気圧の変化に温度や湿度の変化も加わると、気象病の症状が出やすいといわれています。
(中略)
夏場によく発生する局地的大雨も、気象病を招きます。このような局地的大雨は、積乱雲によってもたらされます。
(中略)
上昇気流が起こっているということは気圧が低いということです。積乱雲ができれば急激に気圧が下がるので、気象病が起こるというわけです。

佐藤先生の元を訪れる人の中には、「もうすぐ豪雨が降るよ」と当ててしまう方もいるそうです。
(中略)
では、気象病はなぜ起こってしまうのでしょうか。佐藤先生は、気象病は「耳が敏感な人がなりやすいのではないか」と考えています。
(中略)
内耳で気圧の変化を感じると、センサーでキャッチした気圧変化の情報が脳へと入り、自律神経系を活性化させます。

ここで、内耳が気圧の変化に敏感だと、少し気圧が変化しただけでも、過剰に脳に情報が伝わり、交感神経か副交感神経が過剰に活性化されてしまいます。

– 引用ここまで- (続きは下記リンクより)

引用元⇒ 台風19号の「低気圧」で体調が悪い人の特徴  「気象病」は決してきのせいではない

 

 

ではここから東洋医学的に「夏季うつ」をみていきましょう。

 

 

東洋医学では女性の体は「」の質で、男性は「」で、女性は男性よりも体が冷えやすい傾向と考えます。

東洋医学では、病気の「三因」として「内因」「外因」「不内外因」に分類していますが、今回は夏季うつのテーマなので、「外因」をみていきましょう。

中国古代医書の「黄帝内経」によれば自然界の6種類の気(風・寒・暑・湿・燥・火)が存在し、これ自体は自然界の至る所に存在します。

そして、この自然界の六気が人体を不調和にし発病の原因になるとき、六気は「外邪」となり、「風邪、寒邪、暑邪、湿邪、燥邪、火邪」= 六淫 と呼ばれるものになる、と考えます。

「邪気」というものは「それ自体で悪い何か」ではなく、例えば気候の変化に身体が適応できない時、六気のいずれかが増えすぎたり、

あるいは身体が虚弱の状態である時に六気によってバランスを崩した時、身体の正気(せいき)= 抵抗力 が崩れる ⇒ 発病となるというもので、「それ自体」に破壊性があるわけではないんですね。

 

東洋医学でいうところの「正気」とは身体の恒常性を保つ力の意味であり、「気・血・水」のバランスが調和していること=正気の充実」=病気にかかりにくい健康体ということですね。

しかし、六邪が強すぎるなど、バランス的に偏ってしまう時、五臓六腑経路に影響を与え「邪気」の作用となって、病気となってしまう、というわけです。

 

日本の夏は高温多湿で、特に近年、日本各地で記録的な気温が観測されていますね、つまり六淫の中の「湿邪」、そして「」が強く、それは「熱中症」や「夏バテ」にも関わりますが、

湿邪が体に入る⇒ 五臓六腑の消化吸収をつかさどる「脾胃」(気・血を全身に送る働きをなす)、が「脾胃湿熱」となり、その結果、気や血の巡りが悪化し、四肢・身体が「だる重~」になり胃腸の調子がおかしくなったりする、ということですね。

 

そして東洋医学で夏の季節と関係が深い五臓は「」であり、うつ病に関与する最も基本的な臓器は「肝・脾・心」といわれ、うつ病は「脾の運化 ・心の神志を主る作用が失調し臓腑・気血・陰陽が失調して引き起こされる」と考えます。

つまり、自律神経系のバランス異常=失調がさらに精神面へ影響を与え、「夏季うつ」へなっていく、ということですね。

 

自律神経系のバランスを大きく乱さないこと、これが肝心な事です。そして「」だけでなく「」も肝腎です。そうすることで「乱れた気」は「の気」に整い元気に戻るわけですね(^-^)

 

◇ 関連参考外部サイト・記事の紹介

○ Mastterr Frrog”s Liibrrarry – 東洋医学概論 -第17 講 【 病因論 Ⅱ 】 『 六 淫 』

○ 津液 ( しんえき / jīnyè / Body Fluids )

 

薬膳と補足のエクササイズ

 

夏の「薬膳」に関しては以下の外部サイトがとてもわかりやすくまとめてあるので紹介しておきますね。

 

【夏の薬膳】体の熱を冷ます食べ物で夏バテを予防しよう!

 

 

 

私の実体験からも効果を感じられたツボを以下に幾つか紹介しておきます。リンク先にて「図」が見れます。スキマ時間でこれらをシッカリ押してあげると気持ち良いです(^-^)

 

合谷労宮 ○ 内関神門 ○ 曲池手三里  足三里湧泉  ○ 三陰交 ○ 太衝 百会膻中 ○ 水分

 

◇ 関連過去記事の紹介

○ 東洋医学「うつ」の構造と治療 漢方 鍼灸・ツボ

 

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