心の明暗と旋律・リズム  

 

歌・旋律の癒し」のカテゴリー記事の更新です。

 

今日紹介する「マルタ・アルゲリッチ」さんは、クラシック界では凄く有名な人ですので、 クラシックに関心がある人は知っている人も多いでしょう。

 

熊本地震で被害があった大分県の由布市別府市は温泉地で有名ですが、別府市に在住するピアニストの伊藤京子さんはアルゲリッチの愛弟子で、そして先週アルゲリッチが別府市に訪れたんですね。

 

「被災地へ「心の平穏を」 第18回別府アルゲリッチ音楽祭」より引用抜粋

大きな揺れが熊本・大分両県を襲った地震の直後、事務局は中止も視野に検討せざるを得なかった。だがマルタ・アルゲリッチは「音楽が心の平穏に貢献できる」とすぐに来県の意志を伝えてきたという。

過去には東日本大震災後の音楽祭で、周囲の反対を押し切って出演した。外国人は慣れない地震への恐怖心が強いとされるが、

余震が頻発する最中でも開催に懸ける強い意欲は一貫していた。伊藤京子総合プロデューサーは「彼女にとって別府の音楽祭はとても大切な存在になっている」と語る。

「何より、音楽祭を待ちわびたファンから、こんな時こそ開催してほしい―と声が寄せられ、私たちの背中を押した」

– 引用ここまで- (続きは下記リンクより)

引用元⇒ 被災地へ「心の平穏を」第18回別府アルゲリッチ音楽祭

 

 

アルゲリッチは南米出身の女性ピアニストの巨匠で、彼女は圧倒的な個性とリズムの天才です。一言では語れない世界観を持った魅力のオーラ、そして聴く者を音とリズムの中に飲み込むカリスマ性があります。

 

 

 

自分の弱さ、様々な心の明暗を深く生き生きと感じつつ臆することなく表現し、ありのままで在る彼女、「言葉にできない何か」を繊細に精妙にありのままに表現する姿に感じるものは、「明暗」を「正にも負にも分けない全体」で自然に在り、自身の全てで表現し生きる魂の力です。

 

 

私は最近は音楽を聴いて鳥肌が立つことは少ないのですが、アルゲリッチの音・リズムには毎回身体が深いところから振動します。

 

奔放で情熱的で野性的にも見えるし、繊細で優しくも見える 、とにかく自然体のゆらぎとリズムそのままで生きているような、心の生命力が伝わってくるんですね。

 

三度の結婚によって父親が異なる3人の娘達との関係も複雑で、しかも持ち前の激しく予測不能な性格ですから、きっといろいろなことがあったでしょう。おそらく現代日本ではまず生まれないタイプの天才だと思います。

 

◇ 関連外部サイト記事の紹介(2017/2/26 更新)

なぜ音楽の「天才」は東京藝大を頂点とすされるのかる秩序から排除されるのか

 

彼女のような激しすぎる個性タイプは、子ども時代なら発達障害と呼ばれたり、親になれば毒親とか呼ばれることもあるかもしれません。

 

部分的な印象・要素とか、他者への影響の一部のみが強調される傾向・可能性の方が高いでしょうし、まぁ実際に母子ともに様々なことで悩み、試行錯誤の過程があったでしょう。

 

そんなとても破天荒な女性ですが、彼女は娘たちから深く愛され、今を生き生きとゆらぎながら共に生きています。「時・空間・人」との関係性が変われば、その中での相互作用の質や相対的な意味・価値もまた変化します。

 

「同じヒト」が「同じ在り方」であっても「それを見る者」と「時・空間」によって多元的に変化するんですね。

 

アルゲリッチさんの音に触れると、直線でも曲線でもなく正でもなく負でもない、そして言葉で単極的に表現できないものが全て表現されている、そんな圧倒的なリアルを感じます。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

*