発達障害児のための運動指導法と栄養療法

 

今日は、主に西洋医学概念による「栄養療法+運動法」と、幾つかの最新の治療などについて少し書いているのと、脳・神経学的な内容も少し含めた記事になっています。

 

東洋的・感性的なものとしてみるならば、「漢方あるいは自然食材」と「東洋的エクササイズ」の組み合わせも「栄養療法+運動療法」といえます。

 

これは「抑うつ」に穏やかな効果があり、私はどちらかといえば後者(東洋的・感性的なもの)を中心に自力で試行錯誤して鬱を回復してきたタイプなのですが、(それだけでもありませんが。)

 

酷い状態からの自力回復後は、「健康・元気」にどのようながあるか?という探求心からいろいろ実験的に試し続け、

 

サプリメントや医師による食事療法なども試したこともあるし、その中には現在も「健康」のために取り入れているものがありますが、治療のためではありません

 

まぁ昔もガッツリやっていたわけではなく、極々補足的な感じ程度ですけどね。「うつ」の関連過去記事も一つ紹介しておきますね。東洋医学「うつ」の構造と治療 漢方 鍼灸・ツボ

 

では発達障害の場合はどうなのでしょうか?

 

 

「薬とサプリメントは併用していいの?主治医と薬剤師に教わったこと」 より引用抜粋
(前略)
薬剤師の方からは、現在飲んでいる薬との飲み合わせには特に問題はないが、摂取量を注意する必要があると教えていただきました。

亜鉛については、不足するものを補うのはよいが過剰摂取は危険であること、血液検査でどれくらいの不足があるのか、必要量を調べてからのほうがよいとのこと。

確かに調べてみると、亜鉛はとりすぎれば亜鉛中毒を起こし、鉄分などの吸収を阻害してしまうそうです。

サプリメントといえども、市販されている大人の量を飲めば、子どもならすぐに過剰摂取になってしまいます。
(中略)
また、ビタミンB群については、水溶性のため過剰に摂取しても尿として体外に排出されるために試してみても大きな問題はないだろうというお話でした。

ただし子どもの体重に応じた量を心がけること、市販の大人の量のサプリメントをそのままの量で与えることは避けたほうがよい、必要であれば量を計算してくれると言っていただきました。
(中略)
栄養素であれば、一番よいのはバランスの取れた食事で補うこと。

– 引用ここまで- (続きは下記リンクより)

引用元⇒ 薬とサプリメントは併用していいの?主治医と薬剤師に教わったこと

 

上の記事のラスト「一番よいのはバランスの取れた食事」、とのことです。なのでこういうものはあくまでも「補足的なもの」と考え、盲信せずに医師に相談しながら判断するでいいでしょう。

 

2018/1 追加更新 – ここから – 

補足ですが、「発達障害による感覚過敏・鈍麻」があると、食べ物を「強すぎる刺激」「不快な感覚」と感じ、それぞれに偏食問題・細かなマイルールがあることがわかっています。

 

・視覚過敏の一例 ⇒ 色鮮やかなものがダメ

・嗅覚過敏の一例⇒ 匂いが混ざるのがダメ

・聴覚過敏の一例 ⇒ 噛んだ時の音がダメ

・口腔内の感覚過敏 の一例 ⇒ 揚げものや柔らかいものがダメ

・味覚の鈍麻の一例 ⇒ 濃い味しか感じられないので薄いのダメ

 

なので正しい食事の取り方に関して過度に均一化しようとすると、かえって子どもにも親にもストレスを増大させてしまう場合もあるんですね。

 

当事者や関係者というのは「一元的にみながこういう状況・状態にある」というような単純なものではなく、多元的・多様な現実的状況・心身の状態に置かれており、

 

現場で対応する専門家・医師の対応・判断に多少の差異があるのはむしろ自然なことであり、基本原則はあるにしても、理論や理想だけで一元的な思考で白黒を判断することとは異なっていて当然なんです。

 

なのでスグに「普通の食事以外はダメダメ!」サプリなんてメ!とか決めつけずに、

 

補足として、偏食における「合理的配慮」としての「子ども用のサプリメント」を取り入れることも時と場合によって別にあってもいい、くらいの柔軟な感覚でいいんじゃないかな、と思いますね。

 

◇ 関連外部サイト記事の紹介

子ども用サプリメントで、偏食がある子をサポート!発達ナビユーザー限定の割引クーポンも
子どもの偏食、どうしてる? 発達障害との関係は?原因と工夫、みんなの体験談を一挙にご紹介!
子どもの“偏食” 実態明らかに

 

追加更新 – ここまで –

 


〇 LD、ADHD、高機能自閉症等の理解と対応

発達障害領域における 「脳とこころの研究の進歩」
「アスペルガー症候群・高機能自閉症における「感覚過敏・鈍麻」の実態と支援に関する研究 本人へのニーズ調査から」
↓以下、2019/8 追加更新 最新の研究情報<おすすめ>
自閉スペクトラム症の感覚過敏の調査研究の動向
感覚過敏と時間的な情報処理の過剰

 

 

食事は「外部から取り入れられる物質」です。その中に含まれる環境化学物質が自閉症・ADHDなど発達障害増加の原因ではないか?という仮説もあります。

 

このテーマは以前にも扱い、以下のPDFは過去記事で紹介しましたが、再度紹介しておきますね。

 

参考PDF① ⇒ 自閉症・ADHDなど発達障害増加の原因としての環境化学物質
参考PDF② ⇒ 発達障害のエピジェネティクス病態の最新理解

 

過去記事 ⇒ 先天的?後天的? エピジェネティクスと心・精神の病(自閉症・発達障害・他)

 

全ての病気に対してではありませんが、「病気」が「栄養・環境のバランスの過不足にある」、だから「栄養が悪い、環境が悪い」というのは「部分的」には事実でも、

 

これを全ての人があまり過度に考えすぎるのもどうかな、と思います。 例えば日本人の平均寿命は現在世界一です。 平均寿命、日本人が84歳で世界最長=世界平均は71歳―世界保健機関

 

本当に全体的・総合的に現代社会・先進国社会の栄養状態が悪く環境が悪いのであれば、地上の生物としてこんなに多くの人間がこんなにも長生きすることはできません。

 

自然豊かで化学物質にも汚染されていなかったはずの縄文・弥生時代は平均寿命30歳くらいで、高度に自然と調和した文明都市を生み出した江戸時代でも平均寿命は50歳未満といわれており現代と比べて非常に短いんですね。

 

そして昭和初期あたりで何とか平均寿命は50歳前半くらいになった、これは現在のアフリカと大体同レベルなんですね。とはいってもこれは「乳幼児の死亡率の高さ」が主因の平均寿命の短さなので、実際に皆が若くして死んでいたわけでありません。

 

しかしたかだか70年くらい前まではそんな状態だったわけです。日本の平均寿命の推移をグラフ化してみる(2015年)(最新)

 

「いや長生きしても病気の人が多くそれを医学の力で生かして寿命を引き延ばしているだけだろう」と思いますか?

 

糖尿病だって「自業自得だから殺せ」とか何とか過激なことをいう人が出て来るほどだから実際物凄く多いんじゃないのか?と思いますか?

 

ところが実際、糖尿病有病率は何と世界147です。国によって人口が異なるため患者数ではなく率で公正に見るとこれだけ低いんですね。世界の糖尿病有病率 国別ランキング・推移(2015年)(成人20歳-79歳人口に対する糖尿病有病者数の比率で、糖尿1型・2型を含む世界ランキングです。)

 

ガン死亡率で見ても、日本は高齢者が多い国なのに31と決して高くないんですね。⇒ 世界のがん死亡率 国別ランキング・推移(2014年)

 

ガン患者は高齢化が進むほど増えるため、「世界の高齢化率(高者人口比率)が1位」である日本においてこの数字は決して悪くはないでしょう。

 

そして日本の健康寿命(誕生から死亡までの期間から、病気や体調が万全で無い期間を差し引いた期間)も世界。幼児死亡率(2015年)185、乳児死亡率(2015年)188位、

 

これでも日本の安全性、食や健康の在り方は間違いだらけで駄目だ駄目だと過剰に言いますか?不老不死でも目指しますか?(笑)

 

なので現代日本社会は、医学の発達と社会システム・インフラの整備によって生物学的にかなり良い状態で守られている環境下にあるというのも確かな事実なんです。

 

と同時に、その中には部分的に様々な問題点を含んでもいる、ということですね。そして現在健康で特に心身の問題のない人が、あまり過敏に深刻に考えることはない、と思います。

 

[2018 追加更新]で、医師、専門家による外部サイト記事を紹介します。⇒  「良い食品、悪い食品」という単純化は勧められない

 

 

同時に、遺伝・個性というのは人それぞれで、普通の人にとっては美味しく健康にプラスになるはずの食材でも死んでしまうようなアレルギーを持つ人もいれば、

 

酒好きの人が気持ちよくなれる程度の量の酒でも死んでしまう人だっているわけです。そういう個体差については慎重に考えなければならないでしょう。

 

そして私たちの身体は「自分が食べたもの・飲んだもので出来ている」というシンプルな事実からすれば、それが酷い内容であってよいはずはない、ということにも変わりはありません。

 

 

発達障害児のための運動指導法

自閉スペクトラム症者にみられる発達性協調運動障害(DCD)の原因は科学的にまだはっきりとわかってはいません。

 

2019/8  追加更新 – ここから –

DCDに関して専門家がわかりやすくまとめたおすすめ記事を紹介します。⇒ 自閉スペクトラム症者にみられる運動の問題について

 

紹介記事の最後の方にありますが、DCDの原因のひとつとしての”GABA”の量が関係している可能性が考えられている、とのことで、参考としてそのツィートも貼っておきますね。

 

追加更新 – ここまで –

 

他、運動や行動に関連するものとして、幾つかの脳に関するPDFや記事の紹介です。

 

以下に紹介のPDFでは「大脳基底核による運動の制御」をテーマに、脳・神経的なメカニズムを豊富な図と説明で専門的に詳しくわかりやすく説明しています。PDF⇒ 大脳基底核による運動の制御

 

そして「実行機能」も重要なファクターですが、実行機能のシンプルなポイントと関連PDFを以下に紹介しています。

 

国立精神・神経医療研究センター・メルボルン大学精神医学部門 合同シンポジウム『 発達障害領域における「脳とこころの研究の進歩」』からの引用です。

 

実行機能(Executive Function)とは・・・
高次の認知的制御能力であり、目標に到達するために不適切な行動を抑制し、適切な行動の選択を可能にする能力である

(Burges, 1986)
6つの 領域 (Pennington and Ozonoff, 1996)
・ 抑制機能
・ 作動記憶(ワーキングメモリ)
・ 文脈依存記憶
・ 流暢性
・ 計画立案 (プランニング)
・ 認知シフティング(柔軟な切り替え)
実行機能のうち特に抑制に関わる機能障害がADHDで注目
(Song and Hakoda, 2011

PDF『 発達障害領域における「脳とこころの研究の進歩」』

 

 

「運動」によって実行機能が向上する、という研究結果が報告されています。

 

「前頭前野機能」「実行機能」に関しては幾つか過去記事で書いていますので、その一つを紹介しておきますね。

過去記事 ⇒ 認知科学・脳科学でみる認知の進化と発達  

 

以下、2019/10 追加更新で外部サイト記事を紹介します。「運動」によって「海馬にける神経新生が回復することで症状が改善」という研究結果からの考察です。

 

「運動の効果は対メタボだけではない」 より引用抜粋
運動がADHDの介入に役立つ可能性がある根拠として、脳内に神経伝達物質が放出されるからではないか、という説が上記Gigazineでは挙げられていたが、我々の過去の研究結果を鑑みると、神経新生を介している可能性もありえるのではないかと気づいた。
– 引用ここまで- (続きは下記リンクより)
引用元⇒ 運動の効果は対メタボだけではない

 

 

以下の二つの動画は、

最初の動画が『発達障害児のための運動導法~発達性協調運動障害の診断ポイントと機能向上プログラム~』、次の動画が『器用な子どもたちへの認知作業トレーニング』です。

 

 

 

他の幾つかの改善へのアプローチの紹介

 

 ニューロフィードバック

ニューロフィードバックは、被験者が自分の脳波パターンをリアルタイムにフィードバックされ、そのパターンを注意集中のパターンに変えることを学ぶことでADHDの症状を軽減しようというものです。

本学生産工学部機械工学科 網島 均教授が開発したメンタルヘルスケアを目的としたニューロフィードバックシステムにつ­いて網島先生が解説します。

 

 

ニューロフィードバックとADHD:最新事情

自閉症を持つ子供の教育に“無表情で無感情”なロボット先生が大活躍!

 

 

 

食事療法にしても運動療法にしても、誰にでも絶対効果のある唯一の方法などではありません。科学的・医学的にも賛否両論あり、

 

また個々の心身の状態や感性的な相性、そしてやり方・方法を間違えれば上手くいかない、かえって悪化する、という危険性もあるでしょう。

 

個人的に私はあまりこだわらずに何でも食べますが(基本的に魚、植物性の食事がメイン)、体が不足を感じているときは肉を含め特定のものを多く食べることもあります。

 

運動に関してはほぼ毎日エクササイズをやっていますが、このブログで紹介しているものだけでなく、

 

他にも自分の体力やペース、感性にあうものを幾つか組み合わせて複合的な形で取り入れています。激しいトレーニング、長時間のトレーニングではなく、毎日習慣で出来る程度の質と量です。

 

そして栄養療法とは真逆の話しですが、過去には「欲しくない時は何も食べない」こともありました、一日おきの断食とかも過去によくやってました。

 

「食べない飲まないとどうなるか?」の実験として、過去に「断水断食」を自らの意志でやってみたこともありますが、断食は意外に楽ですが、断水は結構きついです。

 

とはいえ長期間の断水断食でも私の場合は特に目立った疲労・衰弱などの変化はなく、むしろやたら体が熱くなって元気になったんですね。

 

まぁ「長期間の断水断食」は危険なのでおすすめしませんし、「断食」の健康への効果は医学的にも賛否両論アリなので、絶食療法をするなら医師の指導の下に行った方がよいでしょう。

 

私は基本的には「食」は自身の「本能・体の感性」に従いますが、旬の食材を中心によく食べます。単に味が美味しい、というだけでなく、「鮮度が高く体が気持ち良いと感じるもの」を優先しますね。

 

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