SNSの心身への作用    

 

私自身はマイペースにネットを利用して楽しんでいるので、「たまに目が疲れる」、という以外はあまり負の感覚はないんですが、

 

その人の心身の状態や使い方次第では、色々と問題だって出て来る、というのはネットに限らずリアルでもそうでしょう。

 

「ソーシャル・メディアは高齢者の認知能力を改善する」より引用抜粋

楽しみながら手軽に脳を活性化するなら、フェイスブックなどの「ソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)」の活用はとても効果的だ。

SNSを活用する高齢者は、認知能力が向上し、認知症の予防につながる可能性があるという研究が発表された。

ソーシャル・メディアは脳のトレーニングに最適

SNSを利用するにはルールを理解して、論理的に考えたり、試行錯誤したりすることが必要となる。他人との社会的交流の要素も含まれており、思考、意思、創造に関する前頭葉の動きが活発になる。

– 引用ここまで- (続きは下記リンクより)

引用元⇒ ソーシャル・メディアは高齢者の認知能力を改善する

 

 

SNSにせよネットにせよいろんな使い方があると思うので、人によってそれにどのような意味や価値や心理作用などがあるのかはひとくくりには出来ないとは思いますが、

 

SNSやネットを使うことによって心・精神の調子が悪くなったり、強迫観念に囚われたり依存症みたいになってしまっていたり、現実の事がおろそかになっていたりするというようなケース、

 

そして エコー・チェンバー現象 によってフェイクニュースを信じたり、あるいは※ フィルターバブル による情報の偏りなど様々な負の作用もある、といわれていたりします。

 

エコー・チェンバー現象」「フィルターバブル」に関しては以下の二つの外部サイト記事がわかりやすくまとめてあるので参考に紹介しますね。

SNSで問題となっているエコーチェンバー化とは
ネットのタコツボ化”フィルターバブル”を破る方法とは?

 

ではここから、幾つか追加更新で外部サイト記事や動画を紹介しつつ、「SNSの心身への作用」や負の減少などをマクロ、ミクロな次元のどちらも含めてより多角的に見ていきますね。

 

理想や大衆の名を借りて権力を代行する「代行主義」ニーチェは批判しましたが、ネットには多種多様な個々の不満やルサンチマンと結びついた攻撃的な表現が飛び交う一面があります。

 

韓国では悪プル、指殺人が以前から社会問題になっていますが、このような現象は韓国の方が日本よりも激しいとはいえ、日本にも存在し、またアジア以外の国でも起きています。

 

ここで、Twitterにみられる負の集団心理をテーマにしたTEDの動画を紹介しますね。

 

ジョン・ロンソン: ネット炎上が起きるとき | TED Talk – TEDTalks

ジョン・ロンソンはずっと、Twitterが声なき弱者の声となったことを喜ばしく思ってきました。Twitterというソーシャルメディア・プラットフォームは、私たち皆に不当な行為に気づいた時にそれに対して声を上げ反撃する機会をくれたのですから。

しかしこの過程のどこかで物事の風向きが変わってしまいました。この情熱的で雄弁な講演のなかで、ロンソンはそれがいかに吠え続ける暴徒のような行動に終わりがちであるか、そしてオンラインでの交流のあり方を再考する時期にきていることを説明します。( 翻訳 Naoko Fujii 、レビュー Yoshinari Fukuzawa )

 

 

そして次に紹介するのは、「人々の政治的な意見」の分極化にスポットを当てた考察記事で、

エコー・チェンバー現象フィルターバブルがその原因ではなく、ネットが原因ではなく、ネット以前の人格の傾向性、その傾向性とは「意見が固まった特殊な人たちの正義感」であり、それが中心となって生み出していると分析しています。

 

 

「インターネットは社会を分断するのか?」 より引用抜粋(前略)

今回の私たちの調査結果からは、分極化を招いている原因はインターネットではないことが示唆された。年齢が高い人ほど過激な意見を持つこともわかっており、

この点からもネットの影響は疑わしい。ネットの利用で意見が過激化するなら、ネットに親しんだ若年層ほど過激化しそうなものであるが、事実は逆だからである。

インターネットが大きな影響を与えるとすれば、すでに考え方が固まっている高齢者ではなく、まだ意見が明確になっておらず、またネットに親しむ時間の多い若い人たちであろう。

その若い人たちが分極化していないという事実は、ネットへの期待を抱かせる。確かにネットでの議論には誹謗中傷など実りのないことが多い。

若い人たちの多くは、炎上や誹謗中傷を恐れて、インターネットは真剣な議論をするところではないと考えている。

しかし、ネット上で炎上が起きる原因は、意見が固まった特殊な人たちの正義感による書き込みであることが多いこともわかっており、多数派の行為ではない(田中辰雄・山口真一(2016)『ネット炎上の研究』、勁草書房)。

– 引用ここまで- (続きは下記リンクより)

引用元⇒ インターネットは社会を分断するのか?

 

ただ、上記の記事の『ネットの利用と「分極化」の相関関係』の中で、「量」との相関関係はないとしても、「質」からの考察は少し不足しているなぁと感じましたので補足すると、

 

ネットの利用者が多く多様な情報に触れる機会が多くても、も中心的・よく触れている情報のジャンルは何なのか?そこに世代差はないのか?いえば、これが結構差があるんですね。

 

以下の外部サイトで簡潔にわかりやすくグラフでまとめられてあるので紹介しておきますね。

 

〇 インターネット上のニュースにおける人気ジャンルは何だろうか(最新)

 

 

例えば十代高齢の方(六十代、七十代)を比較すると、「インターネットニュースでよく読む記事」は全くバランスが異なります、つまり年代にって関心のウエイトが違うわけです。

 

十代がよく読む記事は「芸能・スポーツ」関連ニュースが圧倒的で、「政治」関連ニュースの場合だと六十代、七十代の方は十代より約2,5倍も高いわけですね。

 

つまりネット利用が「量的」には多い十代の若者に政治的な意見の「分極化」があまりみられないのは、

 

そもそも若者は高齢者ほど政治的な情報に対して積極的ではなく、関心のウエイトが異なり好みのジャンルが異なるため、その意味で「選択的接触」は生じている、といえるわけです。

 

そして特定のイデオロギーへ向かわせるよう働きかけるような、「恣意的な外部からの情報操作」は存在するのか?といえば、プロパガンダの拡散のための組織的・技術的な様々な取り組みがネットで行われているわけですね。

 

「32カ国でインターネットの自由が後退–米団体が政府のSNS情報操作を指摘」 より引用抜粋

(前略)
調査報告書によると、30カ国で、「政府が大勢の『意見形成者』を使って、ソーシャルメディア上で政府の見解を広めたり、特定の政策を推進したり、

政府に批判的な人々に反論したりしていることが分かった」という。「この数年間に、そうした慣行が広範に普及し、その手法も高度化した。

そして、ボットやプロパガンダ拡散者、フェイクニュース機関は閲覧数を増やし、信頼度の高いコンテンツとのシームレスな統合を実現するため、ソーシャルメディアや検索アルゴリズムを悪用している」(同調査報告書)

– 引用ここまで- (続きは下記リンクより)

引用元⇒ 32カ国でインターネットの自由が後退–米団体が政府のSNS情報操作を指摘

 

 

ただ「少数」の人が中心になって極端化している、という分析はおそらく間違っていないだろうと考えられます。

 

最近の実例に基づく分析を紹介です。2018/8、俳優の津川雅彦氏、そして沖縄県知事の翁長雄志氏がお亡くなりになりました、まず両氏のご冥福をお祈りいたします。

 

両氏の死に際して、右と左からの心無い罵詈雑言が一部で展開されていましたが、この現象を計量的に分析した方がおられ、その結果が以下のサイトにまとめられてあります。

 

以下、引用・抜粋

『計量的によくわかった。要はどんな陣営にも一定程度の割合で屑がいるということ、そしてその割合は精々全書き込み中の3.3%程度に過ぎないということだ。』

引用元 ⇒  翁長雄志、津川雅彦、両氏の死についてのツイートを分析し、左右どちらのほうがクズなのか計量的に分析してみました

 

 

暴走化するノイジーマイノリティもそうですが、これは宗教とも共通点がありますね、

 

全世界に宗教の信者は多数存在しますが、カルトような過激な組織・狂信者は世界に点在しているとしても、膨大な宗教人口全体の中で見れば少ない、少数派なわけです。

 

しかし凄く言動が極端で目立つし自己主張が強いので、実数は少なくても量的に多く感じさせるでしょう。

 

いずれにせよ何らかの固定観念を持っている人がさらにそれを強化し「外集団・内集団バイアス」が過剰になることで、極端な眼差しになる現象が一部の人々には生じているわけですが、

 

ネットという媒体そのものが負の作用を与えるのではなく、「本人の心・精神、思考や観念、という主観的な状態」と、「特定のイデオロギーへと誘導する情報発信者・組織・団体」との相互作用の結果とはいえそうです。

 

そういう意味ではそれはたまたまネットがきっかけになっただけで、仮にネットじゃなく他のキッカケでも「そうなりやすい傾向性」がその人に元々存在していた、ということでしょうね。

 

 

 

また厚生労働省研究斑の2012年度の推計によれば、ネット依存の疑いがある中高生は約52万人でその大半が男性、とのことです。

 

※ 重度の場合、日常生活及び社会生活に多大な支障をきたしたり、最悪命を落とすようなケースもあります。ネット依存症に関する関連外部サイトを以下に紹介します。〇  ネット依存治療部門(TIAR)

 

まぁネットやSNSを利用することで負の作用が多く振り回されるだけの状態であれば、使用頻度を減らすとか休止するとか辞めるとかした方がよいと思いますね。

 

特にSNSは他者と関わるのものなので、いろんな作用を相手から受けたり、あるいは自ら生じさせたりするからです。

 

「米がSNSが精神に及ぼす影響を調査 利用者の25%がうつ病になる」 より引用抜粋

ピッツバーグ大学医学部の研究チームは、SNSが精神に及ぼす影響について調査を行った。その結果、SNSの利用頻度が高ければ高いほど、うつ病になりやすことがわかった。
(中略)
博士と研究チームは、米国に住む19歳から32歳までの1,787名を対象にアンケート調査を実施。その回答をうつ病の評価法に組み込んだ。

対象となったSNSはフェイスブック、ユーチューブ、ツイッター、Google+、インスタグラム、スナップチャット、Reddit、タンブラー、ピンタレスト、Vine、リンクトインなどだ。
(中略)
SNSの利用頻度が低い人と比べ、頻度が高い人がうつ病になるリスクは2.7倍だ。
(中略)
SNSとうつ病に関する研究は、これだけではない。 昨年、ヒューストン大学の研究チームは『Journal of Social andClinical Psychology』で、

フェイスブックの利用増加は、うつ症状と密接な関係にあり、「社会的比較」として知られる心理現象を引き起こすという研究結果 を発表した。

2013年8月には、ミシガン大学の研究チームが、「フェイスブックの利用が若者の主観的幸福感を低下させる」という研究論文を発表した。
– 引用ここまで- (続きは下記リンクより)

引用元⇒ 米がSNSが精神に及ぼす影響を調査 利用者の25%がうつ病になる

 

◇ 他・関連外部サイト記事の紹介

うつ病にSNS疲れは大敵。SNSやめたらめっちゃ楽なのでオススメだよ
SNSを辞めてよかったこと
なぜネット上にはデマや陰謀論がはびこり、科学の知見は消えていくのか:研究結果
エコーチェンバー現象の意味とは?SNSで生まれる錯覚
現代の若者ネット民が挙げた『SNSをしない理由』色々「両親とFacebookで関わりたくないから」など

 

 

インターネットのやり過ぎ肥満高血圧などに繋がるという研究結果もあるので、まぁやり過ぎは心身共によくない、ということですね。

 

では最後に動画をひとつ紹介しますが、「初音ミク」と「ムック」が一緒に踊りながら歌う「デスぞ」という曲です。これ 「凄くゆる~い感じの何とも不思議な変な歌」で、お気に入りです。

 

 

 

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