物の見方を少し変えてくれる二人の心理学者
今回は「物の見方を変える二人の心理学者のTED動画」を紹介しましょう。有名なので既に知っている方もいるかとは思いますが。
最初に紹介の動画はバリー・シュワルツの「知恵の喪失」です。彼の心理学的考察というのは、今の日本に一番必要なものの一つでもあると思いますね。
とにかく組織にせよ上部の在り方にせよ教育にせよ、世間の同調圧力の細かい正義のクレーム的な押し付けにせよ、それらの多くは表面的で形式的で頭が固い、心が狭いと感じるものばかりです。
正しさの根本的な原則はあっても、「正しさの基準や対応の種類」というのは、本来はその現場や状況で柔軟に変えてもいいはずのものです。ですがそれには「知恵」が必要です。
そして形式的な規則や正しさへの機械的な反応や順守だけではなく、各現場で「実践知」としての知恵が磨かれていくプロセスがあることが大切ですね。
バリー・シュワルツ「知恵の喪失」
スワースモア大学の心理学教授バリー・シュワルツは官僚主義を突き詰め、破綻の道 を進む社会の特効薬として「実践知」が必要だと提唱する。規則は役に立たず、よか れと思って与えるインセンティブは裏目となり、そして、実際的で日々の糧となるよ うな知恵こそ世界を再建するのだとバリーは力強
く説く。
次に紹介のTED動画は、「ブレネー・ブラウン」の傷つく心の力です。ブレネー・ブラウンはヒューストン大学ソーシャルワーク大学院研究教授で女性の心理学者であり、とても柔らかく優しい雰囲気で語る「TED」動画でも大きな支持と賞賛を受けた人であり、知っている人も多いでしょう。
何でしょうね、この包み込むような彼女の温かさと魅力的な雰囲気というのは。心理学的にどうかという前に、感性的に、とても優れた良いものを持った人ですね。そしてこういう角度からの心理学をもっと進めて欲しいなぁと私は思います。
自我肥大的に願いさえ叶えればそれでいい的な、自己啓発や弱肉強食的な成功哲学が横行する中で、彼女の心理学は「ひとりの人間」としての 原点に立ち戻ろうとしているようにも感じます。
彼女は人間の「恥」という感覚に着目し、「自分の弱さ・不完全さを受け入れて自分らしく生きる」というテーマを突き詰めている心理学者です。「ポジティブ思考」や「強者の精神論」だけで何でも乗り切ろうとするような方法では解決しない心の問題・人生の問題に取り組んでいる方です。
ブレネー・ブラウン:傷つく心の力