世界は悪くなったか? 統計情報から見た世界と「思いこみの暴走」  

 

今回は「世界の問題」をテーマにしていますが、その前に今何が世界の問題なのか?をよく知らなくてはいけません。そして次に、それぞれが今具体的にどういう状態か?、そして対策をしなければこの先どうなるのか?を知ることです。それを踏まえた上で、問題解決のためにどうすればいいのか?への理解を深めていきましょう。

 

情報過多な時代の「思いこみの暴走」というものは、心・精神にも様々な否定的影響をもたらすことがよくあるんですね。世界・地球規模のマクロな現象というものは、ミクロな個人の現実や認識と無関係ではありません。なのでマクロで起きていることを知ることも大事なんですね。

 

今何が世界の問題なのか?の具体的な情報に関しては、以下に複数のサイトを紹介していますので参考にどうぞ。

◆ 世界の人権問題(国別・トピック別)⇒ 世界の人権問題

 

全陸地面積の約31%を占めている世界の森林面積は約40億ヘクタールで、現在世界の森林は2000年2010 年の10年間で年間1,300万ヘクタールも減少し続けている、といわれています。 世界の森林はいま

 

ここから「追加更新」です。

 

「世界の森林は減少し続けている」、とこれまでずっとそのようにいわれてきました。ところが、衛星画像情報からは逆の事実が報告されています。

 

以下に外部サイト記事を引用・紹介していますが、森林が世界中で局所的に減少しているのも事実なのですが、逆に「植林」で世界中で大幅に増えている箇所もあり、なんと「地球全体では増えている」ということです。

 

「地球上の森林は増えている!」 より引用抜粋

日本では森林が増えているという知識を持つ人もいるかもしれないが、地球規模で考えれば、森林は減っているというのが常識だった。

しかし今月のNature誌には、驚くべき論文が掲載されている。地球全体で、36年前と比べて森林が大幅に増えていたというのだ。

アメリカ・メリーランド大学のシャオ・ペン・ソン(Xiao-Peng Song)博士たちは、衛星画像情報を利用して1982年から2016年までの地球の土地被覆の変化を裸地、低木植生被覆地、樹冠被覆地(高さ5メートル以上の植物)の3つに区分した。

すると上記の期間中に樹冠被覆地、つまり森林が7%も増えていたという。面積にして224万平方キロメートルにも達する。日本の国土が約37万平方キロメートルであることと比べると、どれほど広いか想像できるだろう。

– 引用ここまで- (続きは下記リンクより)

引用元⇒ 地球上の森林は増えている!

 

 

そして人口問題、水・食糧の問題も深刻である、といわれていますが、たとえば「食料問題」で「飢餓」の話が出てくると「絶対量の不足」がイメージされますが、実際は絶対量は足りているんですね、ではどうして「飢餓」が生じるのでしょうか?そのあたりのことを簡潔に説明しているPDFを引用紹介します。

 

「PDF 食糧問題」 より引用抜粋
「“飢餓”になるのは、食糧が十分につくられていないからではない。穀物は年間24億トン生産されています。これは世界中の人が生きていく䛾に必要な量のおよそ2倍になります。

それでも食べ物の不足している人がいるのは、どうしてでしょうか?1人当たりの食糧供給量を比較すると、日本では必要なカロリーより31%も多く、ソマリアでは16%不足しています。

私たちのように食べるものがいつでも十分手にはいるのは、世界のおよそ2割の人だけなのです。

穀物は人間が食べるだけではなく、先進国では穀物の6割(約 4 億トン)が、ウシ、ブタ、ニワトリなどの家畜のえさになっています。牛肉 1キロ作るために穀物11キロ、豚肉 1キロ作るために穀物7キロ、鶏肉1キロ作るために穀物4キロを消費しています。

結果として、世界の2割足らずの先進国にすむ私たちが世界の穀物の半分以上消費しているのです。」

– 引用ここまで- (続きは下記リンクより)
引用元⇒  PDF 食糧問題

 

もうひとつ関連外部サイト記事を紹介します。

「世界人口が増え、食料危機が起きる」のウソ-世界中の農業専門家が作り上げたフェイクニュースの実像に迫る-

 

ー 追加更新 ここまで ー

 

日本は現段階ではまだ恵まれていますが、気候変動や自然破壊、海流の変化などのマクロな環境変化がこの先地球規模で起きてくれば、決して他人事ではないんですね。各問題については以下のリンク先を参考に紹介します。

  5分でわかる環境問題

 

論理的主張は正確な統計的事実に基づいている場合は、その主張を支える証拠にもなり、また現実の状況・状態を把握する助けにもなります。

 

ですが、その統計データがかなり偏っていたり、ウソである場合、それを信じた場合、逆に認識は誤り混乱します。それをどう見抜けば良いのか?それに関する詳しく分析しているサイトを以下に紹介しておきますね。

統計の嘘の見抜き方

 

スウェーデンの医師、公衆衛生学者であり、カロリンスカ研究所の国際保健学の教授であるハンス・ロスリングは、「事実に基づいた世界観」をベースに統計学を駆使し、抽象的で平面的な世界問題を具体的に立体的に捉え、その解決策を探求しています。彼の「事実に基づいた世界観」は画期的です。

以下に、統計の達人であるハンス・ロスリングの動画を紹介します。最初の動画は世界の人口問題であり、次の動画は彼の見事な統計学による世界の現状分析です。

世の中には「味気なくわかりにくい統計」はいくらでもありますが、こんなに立体的でわかりやすく面白い統計データを見せられたことはないでしょう。

 

「世界の人口は次の50年間で90億人に増加し、最貧困層の生活水準を引き上げることこそが、人口の増加への抑制につながるのです。」これが、ハンス・ロスリングが色鮮やかな新しいデータ表示技術を使ってTED@Cannesで発表した逆説的な回答です。(見ればわかります)

 

 

世界は悪くなったか?

 

世の中には確かに理不尽や暴力そして様々な問題が溢れています。ですが、有史以来の人類は、歴史的に相対的に見て本当に悪くなったでしょうか?

 

感情論や印象論だけでは世界の実情は見えてきません。腹立たしく悲しい現実も確かに沢山ありますが、それでも統計的に具体的に分析するならば、人類史上もっとも平和な時代を我々は生きていると、心理学者スティーブン・ピンカーは語ります。

 

では次に、ハンス・ロスリングの動画と、心理学者スティーブン・ピンカーの動画を二つ続けて紹介します。ロスリングはまるでスポーツ実況者ようなテンションとリズム感で「発展途上国」への誤解や神話を打ち崩します。

 

ハンス・ロスリング 最高の統計を披露

 

 

アメリカの実験心理学者、認知心理学者で、ハーバード大学で心理学教授をつとめているスティーブン・ピンカーは、聖書の時代から現在まで暴力が減少してきていことを統計図で示しながら説明しています。

 

スティーブン・ピンカー: 暴力にまつわる社会的通念

 

 

情報過多の時代の思いこみの暴走

 

現在は情報過多の時代であり、こういう複雑化した社会は情報の印象に惑わされないことは大切です。人は想像以上に情報に振り回され、認識が歪められたり、パーソナリティや人生観にまで影響を与えてしまうことがあるからです。

 

印象操作と情報の偏りで主観が混乱したりすることは実際によくあることです。なので当ブログでは、世界の優れた学者の動画や考察の優れた論文などを出来る限り選別して紹介しながら、より正確な情報や立体的な知識を得られるように工夫しつつ、そして自らも統計の平面的ではない立体的な解釈にも取り組んでいるところです。

 

ショッキングな事件がニュースで繰り返し語られ、様々な情報ツールでそれを目にする現在は、情報量が多すぎて情報刺激が過多であるために、日本も世界も全体的に悪くなった、と感じやすいんですね。

 

ですが実際は全体的に良くなっている傾向も多々あり、部分的には悪化しているものも混在しており、それぞれを考察していく必要があるわけです。

 

ですが一部の現象だけをピックアップしてそれを過剰に誇張して何もかも全部が悪いとするのは、視野が狭すぎるわけです。例えば資本主義社会は全てがおかしいとか、現代社会の全てがおかしいみたいな発想とかもその延長にあるものですね。

 

それとは逆に、根の深い問題で社会的要因を含んでいる場合も確かにあります。人類的問題などのある種の普遍的な問題というものも存在はします。

 

ですが、それを社会や時代の全てに当てはめて、昔より今の時代が悪くなったと考えるのは短絡的で、そういう問題は多かれ少なかれずっと昔から引き継いでいる集合的なものであって、今に始まったことではないんですね。

 

そしてよく病的な精神世界の人々や陰謀論者などが異常気象や日本・世界の事件などを取り上げて、「世界はイルミナティ-やらフリーメーソンやらに支配コントロールされている」とか、「世界は終末に向かっている」とか、「幽界が壊れて心が魔に憑かれる人が増えてきた」とか、「爬虫類型の宇宙人が世界を支配している」とか、

 

まぁそういう病的な精神での思いこみやオカルト的理屈ばかりを展開して人心を惑わしています。

 

ですが、前にも日本の犯罪を記事で書いたように、日本の凶悪犯罪はむしろ年々減少していますし、世界は日本よりは犯罪は多くても、やはりトータルで見れば凶悪な暴力性は年々低下してきているんですね。

 

天災やショッキングな事件などがあると、人々は不安感や恐怖感が高まりますが、そういう時に安易に「病的な思いこみの印象操作」に付け込まれないためにも、ミクロな世界だけでなくマクロな世界で起きていることを出来るだけ科学的に、そして立体的に捉えておくことは必要です。

 

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