結婚・離婚 と 夫婦と社会のバランス
結婚というのは単に男女の関係性に止まるものではなくて、家族の関係性そして社会との関係性まで幅広く含んだ総合的な関係性だと思います。
これが絶対に最良なものなんていう画一化したモデルなどはどこにもないのです。 あくまでも相対的に、「この場合はこの方が成功例が多い」などの統計的なものであり、かといって統計が全てでもなく、
昔は良いとされた結婚や夫婦のスタイルの弊害・問題や盲点もあれば長所もあり、それは今のスタイルでもそうでしょう。
こういうことは様々な力学で変化しているものなので、どちらかが一方的によくてどちらかが一方的に悪いとか、ある一面だけ切り取って簡単に言えるものではありません。
様々な角度から見てみないとそう簡単にはわからないことなのです。結局のところ、細かい部分なんて人それぞれだろうと私は思います。
ですがその中で、「大まかなポイント」となる部分や傾向だけをピックアップして、見えてくるものをだけを書いてみようと思います。
まず、「最近の日本人は離婚が異常に増えている」という過剰な負のイメージはどうかな?と思います。
実際は確かに増えてはいますが、凄く飛びぬけている、とういうわけではありません。また世界的に見ても離婚の上位国ではありません。
以下の記事も参考にどうぞ。
● 結婚数-離婚数で世界各国の結婚持久値をランキングするとどうなるか?ということを図示した「世界の結婚事情」
⇒ http://gigazine.net/news/20130407-world-marriage/
離婚率というキーワードで調べると、ちょっと数字的な錯覚を生みやすいグラフが出てくるんですね。それは離婚率というものを統計する時に、2つの指標が使われているからです。
国民生活白書や国際比較など公式の統計数字で「人口1000人当たりの離婚件数」では、1991年頃から離婚件数は急激に高くなってはいるのですが、
世界的に比較するなら62カ国中22位になり、特に高いというわけでもないのです。
※統計 図 引用・参照元 ⇒ http://research.goo.ne.jp/database/data/000575/
結婚と離婚は社会・経済にも大きな影響を与えるものです。そしてよく、離婚は景気の先行指標というふうにも言われることがありますが、下のグラフをみれば離婚と経済の関係性は見事なほどリンクしているのでよくわかります。
※統計 図 引用・参照元 ⇒ http://research.goo.ne.jp/database/data/000575/
恋愛結婚と見合い結婚どっちが幸せ?
たまにこういうテーマの記事やニュースを複数見たり読んだりもしますが、その中で幾つかの記事を参考に引用しますね。私自身は全て記事の通りとは思っていませんが、
恋愛結婚が、時間の経過と共にお互いにマイナスが追加される「減点方式」になりやすい関係だとしたら、
お見合い結婚は、時間の経過と共にプラスが追加される「加点方式」になりやすい関係、と言える部分は確かにあると感じますね。
感情のマックスの波が先に強烈に来てからスタートするのが恋愛結婚だから、「非日常」⇒「現実」に向かう、感情的な高まりは上流から下流に向かう流れであり、
「現実」からスタートして、徐々にそれを豊かにしていくお見合い結婚は、強烈な「非日常」こそなくても、感情は下流から徐々に上流に向かう流れであるから、相対的な幸福感は高いのかもしれません。
しかも現実的な条件を冷静に考慮した上での結婚なので、出来婚に比べて現実的なトラブルや摩擦は少ないとも言えるでしょう。その辺りの安定感も、長期的な関係性である結婚生活には適したものなのでしょう。
平たく言うと、ウサギとカメ、アリとキリギリス的なものでしょう。短期的に良いものと、長期的に良いものの性質の違いというところでしょうか。
「BLOGOS」 より引用抜粋
「結婚の科学 恋愛と見合いどっちが幸せ?」
恋愛結婚をした夫婦は結婚期間が一年以内の場合、91点満点中平均70点だったが、結婚期間が長くなるにつれてスコアは徐々に低下し、10年を超えると40点でしかなかった。
これに対し、取り決め婚の夫婦は、結婚したては平均で58点と高くないが、期間が長くなるにつれて満足度が高まり、10年超の時点で68点と恋愛結婚の夫婦よりもはるかに高かった。
これは取り決め婚が90%を超えるインドにおける研究であり、そういった批判も考えられる。気になったので日本の場合も調べてみた。
日本は1970年くらいから離婚率が高まっており、現在では結婚した夫婦の3組に1組が離婚している状況だ。
もやは離婚は珍しいことではない。これを結婚の仕方で見てみると、恋愛結婚の離婚率は40%で、お見合い結婚の離婚率は10%とのこと(全国仲人連合会調べ)。
意外にもお見合い結婚の方が離婚率が低く、上記のインドでの研究結果と一致する。 – 引用ここまで- (続きは下記リンクより)
夫婦の関係性を長期的に良好に保つために
以下のような検証データもあります。参考にどうぞ。
● 家事を分担する夫婦は離婚率が高い、ノルウェーの調査結果
⇒ http://www.afpbb.com/article/life-culture/life/2904317/9595764
追加更新で、以下に二つの外部サイト記事を紹介しています。まず最初は男女の主な離婚動機に関する内容を抜粋していますが、「性格の不一致」が男女ともにトップですね。
「仲良し夫婦でいるための5つの秘訣&離婚理由ベスト10」より引用抜粋
離婚理由ベスト10
司法統計2013の「性別離婚申し立ての動機別割合の推移(1975-2013)」によると、主な離婚動機は男女それぞれで以下のとおりでした。
夫の離婚動機
1位:性格の不一致(63.5%)
2位:精神的な虐待(17.4%)
3位:異性問題(15.5%)
4位:家族・親族との不和(14.9%)
5位:性的不調和(13.0%)
6位:浪費癖(12.3%)
7位:同居の拒否(9.5%)
8位:暴力(8.1%)
9位:家庭への無関心(省みない)(6.9%)
10位:病気(5.2%)妻の離婚動機
1位:性格の不一致(44.4%)
2位:生活費の不払い(27.5%)
3位:精神的な虐待(24.9%)
4位:暴力(24.7%)
5位:異性問題(19.5%)
6位:浪費癖(12.1%)
7位:家庭への無関心(省みない)(9.9%)
8位:性的不調和(8.1%)
9位:家族・親族との不和(7.8%)
10位:大酒・酒癖(6.6%)– 引用ここまで- (続きは下記リンクより)
引用元⇒ https://woman.mynavi.jp/kosodate/articles/1486
次に紹介するのは「共働き」に関するものですが、現在では共働き夫婦の方が専業主婦の倍近く多く主流のスタイルになってきています。
ジェンダー・バランスの支援を専門とするコンサルティング会社、トゥエンティー・ファースト(20-first)のCEOであるアビバ・ウィッテンバーグ=コックスさんによれば、
共働き夫婦には「5つの夫婦モデル」があるといいいます。
① シングル・キャリア
② リード・キャリア
③ 交替型キャリア
④ 並行型キャリア
⑤ 補完型キャリア
そしてこの「家族としてのキャリア」を計画的に臨機応変に組み立てていくことで、「共働き夫婦の人生を充実させる」、という夫婦の在り方の参考となる外部サイト記事へのリンクを、以下に貼っておきます。
⇒ 共働き夫婦の人生を充実させるには、「家族としてのキャリア」計画が必要である
2019/4 追加更新
誰かと結婚して人生を分かち合う選択をするのは、人生において最も重要な決断のひとつです。
しかし、世界には離婚率が50%近くまで上がっている国々があることを考えると、パートナー選びに何らかの助けがあってもいいでしょう。
すぐに実行に移せる、目を見張るようなトークで、精神科医のジョージ・ブレア=ウェストは、離婚を避ける3つの秘訣について語ります。
そして、まだ交際している段階で、後に問題になりそうなことに気づく手がかりを教えてくれます。
幸せな結婚生活を築き、離婚を避ける3つの方法
ちょっと古いと言われるかもしれませんが、もし理想的な結婚は?と聞かれた場合、「お見合い結婚で女性は専業主婦」というスタイルですね。(あくまで一例ですが。)
恋愛結婚や共働きを否定しているわけでもなく、また絶対に専業主婦がいいとかそういう風にも考えてはいません。後、離婚もケースバイケースだと思っています。
そして経済的理由云々に関係なく、働きたい人は働けばいいと思います。なのであくまでも心理学的に見た場合のひとつの理想的な結婚像です。(私自身は直感的・感性的に選択するタイプなので、女性を分析的・統計的・心理学的には見ません。)
『 旦那さんに十分な経済的な基盤があり、双方の意志には自然な合意があり、将来の経済的不安も非常に少ない、そして関係性も双方の長所・短所が相互補完的で調和的である』、
という形に近いのであれば、その場合はやっぱり専業主婦が一番いいかな、と心理学的にそう考えるのですね。
まぁそういうケースは多くはないでしょうが、あくまでも理想形の場合の話、そして結婚パターンの一例(他のパターンもあり)ですので悪しからず。
ここで「専業主婦」「共働き」に関連する外部サイト記事を紹介します。
(2018 追加更新)
〇 今の時代、専業主婦はアリ?ナシ?「専業主婦という選択」について徹底調査!
〇 働くイクメンの悩み、米国では 子育てに参加する男性が抱える問題は、働く母親と同じ
そして結婚は人生の一部であり、「当事者たちが自分たちの形を決めること」なので、他者がアレコレ「絶対これがいい!」と形を要求したり、逆に「人様の結婚の形」を一方的に否定するべきではありません。
一見時代に合っていて合理的で楽で良さそうに見えても、長期的に観れば結局ダメになったり失敗することはあるし、
その逆に、「一面的には問題が生じたり苦労が生じているように見えるパターン」でも、当事者にしかわからない別の面での良さがあったり深さがあることもあります。
自身の経験や周囲の人たちの実例を幾つか見て聞いた程度で、「このタイプは上手くかない」とか「結婚はこうじゃなきゃダメ」とか、ひとくくりにカテゴライズして決めつける人も結構多いですが、
見方を少し変えたり広げれば、そういう「決めつけ」が当てはまらない夫婦や結婚は世に沢山存在し、「あなたの考える正しい形とは異なる形」でもとても上手くいっている夫婦も沢山存在するわけです。
夫婦、結婚の在り方・形は多様、多元的で、そして複合的な力学が働いているものであり、同時にプライベートなものでもあるので、
外から見てその形・結果・印象がどう見えていても、本当のところはその夫婦にしかわからない感覚・それぞれのバランスがあります。
なので「他者の結婚の在り方」への一方的な否定にしろ一方的な肯定にしろ、基本的にそれはどちらも「余計なおせっかい」で、過度に深入りするようなテーマではありませんね。
人それぞれの人生観・価値観の一部でしょうから、今の時代、今の社会がどうとかこうとかいう以前に、そして他者が「こうするな!」「こうしろ!」と導いたりするようなものではなく、
特定のスタイルや型にはめるような同調圧力的なものではなく、「当の本人たち」が「自分たちに合った夫婦の形」を試行錯誤して主体的に作っていくものだと思います。
ただ結婚生活のバランスが良いことは、それは子供にとっても外で働く旦那さん(奥さん)にとっても、そしてもっと言うなら、家族の安定は社会に投影されるため、社会にとっても良いことだと思います。