思い込みの心理とラベリングの錯覚
今日は「思い込みの心理」と「ラベリングの錯覚」というテーマで、動画を幾つか紹介しつつサクッと書きます。思い込み・ラベリングにもいろいろあります。
まぁ根源的なところまで追及すると、脳自体が認識を条件付けているわけで、「意識」はエピソード記憶をするために存在する、という受動意識の構造から見るならば、クオリアはその処理過程に過ぎないため、
それを含めて思い込みというのであれば、「知・情・意」の自我運動の全てが「思い込み・観念の枠組みを出ていない」とも言えてしまいますが、そういう根源的な話は別のテーマで扱っているので、ここではもっと日常的な感覚・認識の思い込みについて書いています。
古いものが新しい
私は最先端なものも好きですが、古いものが新しい、古いものに素晴らしいものが隠されている、ということを同時に感じています。
例えば琵琶(ビワ)という楽器がありますが、エレキギターやアコースティックギターに慣れ親しんでいると、琵琶なんてあまりに古いし、時代遅れな楽器のように言う人も結構います。
私はエレキギターやアコースティックギターも好きですが、世界各地の古い楽器・民族音楽なども好きです。「琵琶なんて日本の高齢者の一部にしか伝わらない超マイナーな音楽だよ」という、日本の伝統芸術に対する思い込みも多々あります。
視覚だけでなく、聴覚も相対的に条件づけられていますね。ですが、音として純粋に楽しもうとするならば、様々なものが感じられるんですね。以下の動画の海外の反応は、私の感覚に近いものでした。
Roving Ronin Report Presents Japanese Biwa Player
海外「本物の歴史がここにある」琵琶奏者の劇的な演奏に外国人感動 より引用抜粋
■ こんなに傑作と呼ぶにふさわしいメタルは初めた見た。スゲー。アメリカ
■ 俺もまったく同じ事を考えてた。ビワの演奏者は中世のメタルアーティストって呼べると思う。凄くヘビーで、刹那的で、歌詞もまた素晴らしい。+6 スウェーデン
■ 4:52のところなんてギターみたいだもんなw マジでカッコイイわ。 +4 アメリカ
■ 突然の強い雨が演奏に面白い効果を与えてるね。+3 アメリカ
■ うん、僕もまったくそう思う。あの場所は平家の隠れ里だったんだ。彼らが失脚していく場面で雷雨になったのは、ぞっとするような偶然だ。 投稿者
■ ヤバイ、震えが来た。こりゃまた美しい音色だこと。アメリカ■ 彼女の演奏が大好きだ。声もお見事!! ああ、あり得ないくらいの美しさだ。 +3 チリ
■ WOW 凄すぎる。彼女は特別な何かを持ってるとしか思えん!なんてったって天まで動かしてるんだからね。WOW……。ホントWOWとしか言えないよ。 アメリカ
■ この話知ってた :) 一部だけどね。だけど曲まであるなんて思わなかったよ。 アメリカ
■ ビワを販売してるお店どっかないかな。この人の歌い方が好きだ! +5 カナダ
■ ラッキーな事に彼女とまったく同じビワを見つけられたよ。それで今は弾き方を勉強してるとこ!日本に住んでても、この楽器を見つけるのは難しいんだ。 日本在住
■ お見事! この話は古い映画の「怪談」で聴いた覚えがある。雨の演出が彼女の演奏をより傑作にしてるね。 ドイツ
■ 本当に興味深い。それに凄く力強くて、彼女の感情が100%感じられる。日本の伝統音楽が大好きなんだ。日本のロックとしてのビワを聴いてみたいね。絶対クールだと思うんだ。 国籍不明
■ これがずっと弾き語られてきたわけだよね。一瞬も見過ごしたくなかったから、2回観てしまった。素晴らしい音楽に歌声。彼女の中にあるエネルギーすら伝わってきたよ。投稿してくれてどうもありがとう! アメリカ
■ よく聴くと、彼女の演奏がアラブの影響を受けてるのが分かる。僕が今まで耳にしてきたガガク(雅楽)との対比が素晴らしい アメリカ
■ これはハードコアの傑作だ。日本がロックンロールを生み出したなんて初めて知ったぜ。+8 アメリカ
– 引用ここまで –
視覚や聴覚だけでなく味覚もですが、年を経るほどやっぱり和食がどんどん好きになっていくし、古来からの日本の芸術や文化ってシンプルで奥が深い、かなり洗練されている凄いものが多い、とつくづく思います。
今、日本の古来からある職人技術や芸術を、現代に上手く生かす形にアレンジされている方々が結構います。そういう作品を見ると、古きものと新しきものが融合されていて、深みと斬新さの両方を感じて感動します。
ラベリングの錯覚
過去に海外で実際に行われた心理実験で、有名なプロのピアノ奏者がコンサート会場でピアノを弾く場合と、人通りの多い街中で演奏する場合とでは、人が彼の音に注意を向ける反応が全く異なったというものがあります。
「音」を純粋に聴いているのであれば、プロの演奏というのは素人より遥かに洗練されているわけですが、人はその人の社会的ラベリングや、状況・場のラベリングを見るために、こんな場所でピアノ弾いている人は二流かアマチュア、というような先入観から入る人も多いのでしょう。
ですが、ラベリングではなく「音」そのものを聴いている人であれば、またそれを聴く力のある人であれば、その良さに気づいて立ち止まるわけですね。
henri’s boogie プロが街で名演奏、しかし周囲の反応は