絵画と芸術の癒しの力   言葉では表現しきれない心象風景たち

 

人は自身の悲しみ・怒り・喜び・感動言葉や涙や笑顔や暴力だけで表現するわけではありません。人は古来から、歌や踊り、そして絵や楽器でそれを表現してきたんですね。

 

タップダンスの「タップ」は、黒人奴隷が白人から楽器も言葉も取り上げられた「その悲しみと怒り」を「足」で踊ったのが始まりだといわれています。

 

そしてロックの源流であるブルースの起源は、黒人奴隷たちが 理不尽な白人社会に対する不満や怒りを込めて歌っていた労働歌であり、そして「ラップ」は、黒人達が獄中で歌ったものがルーツだと言われています。

 

バレエや歌舞伎、舞踊にも、身体そのもので表現するという文化がありますね。心は言葉の意味だけで表せない、全身で伝えて初めて深いものが伝わる、そういう奥行きがあるものなんですね。

 

 

絵画と芸術療法

 

うつ病「芸術療法」の絵画展が今年の夏に渋谷で開かれました。日本で精神疾患の患者の治療として「芸術療法」は広まりつつあるといいますが、

 

「芸術療法」はまだ新しい心理療法で、1950年代に初めて世界で導入したのはオーストラリアの精神医学の研究所「ダックス・センター」だそうです。

 

治療の実例として、30代で赤ちゃんの死産をきっかけにうつ病を発症した女性は、絵の制作を通じて自らの喪失感を表現したことで、その後、うつ病から回復することができたといいます。

 

芸術療法は、患者本人の言葉では表せない複雑な気持ちの表現であり、「表現することそのもの」が患者本人の癒しにもなるだけなく、周囲の人が患者を理解する方法としても役立ち、その理解が患者を治療するうえで大きな力になるという心理療法です。

 

今日は芸術療法ではないですが、アートに関する動画を4つ紹介します。小難しい哲学やら心理学やら精神医学の味気ない表現や理論などとは違い、

 

芸術・音楽や絵画の素晴らしい表現力や創造力は、それに触れて見て聴いて感動するだけで、自然に安らぎ癒されてきます。

 

次の動画は、2013年7月に青森県立美術館で開催された『 青森EARTH2013 すばらしい新世界__再魔術化するユートピア 』展で展示されたデジタルアート作品「花と屍 剝落 十二幅対 /  Flower and Corpse GlitchSet of 12」です。

 

自然と文明の衝突、循環、共生をテーマにした「和の美」の世界の絵物語の12幅からなる美しく幻想的なアニメーション作品。素晴らしい技術です。

 

Flower and Corpse Glitch Set of 12 / teamLab exhibition”We are the Future” (beta ver.)

 

 

そして次に紹介の二つの動画は、女性と猫をモデルに、「デッサンから仕上までの過程を映像にした」だけのシンプルな動画なんですが、鮮やかな過程が見ていて気持ちよく、仕上がりの美しさに驚きます。

 

Chloe Grace Moretz Full Color Pastel Portrait Drawing Video

 

Drawing Time Lapse: Kitten

 

 

私は母が芸術系で父が理系で、どちらの要素も色濃く受け継いだようで、芸術も科学も文系も理系もどちらにも子供の頃から強く関心がありました。科学系の本もよく読みましたが、絵や音楽も好きで、以前はよく絵を描き、作曲もしていました。

絵には言葉では表現できない遥かに多くの本質的なメッセージが含まれていることを今はよく理解できます。そして作曲した旋律もそうですね。

他者の絵を観るよりも、自分が描いたり曲を作っている時、その表現自体が癒しになっていたことを今はよく感じます。

 

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